堕ちる天使×美しき悪魔
何故かリーザもフィンもよそよそしい。
一体誰なんだ?
そのクルーという名の妖精は…。
「…ねぇリオール、天界に帰らないの?」
「…帰る気はない」
「そう…。じゃあどこに帰るの?」
「どっか」
「もぉ!!」
フィンは目を吊り上げて怒った。
まぁ確かに、我ながら計画性がなさすぎる。
「あなたたち、行くところがないの?」
俺がフィンに怒鳴られていると、リーザがふいに口を開いた。
「ない」
「…だったら、わたしと一緒に住まない?」
「お前と…?」
「ダメだよ!そんなことダメに決まってるじゃん!!」
俺に考える余地も与えず、フィンがリーザを睨みながら怒鳴った。
「ダメなの?」
「当たり前だよ!リオールは天使だよ!?天使が悪魔と同居なんて……大罪だ!!」
「だからって、何もあなたがそこまで言う必要はないじゃない。
あなたはリオールの保護者ではないでしょう?」
何か…
いがみ合ってるな。
この二人。
「それとも、わたしと暮らすことであなたに何か不都合があるの?」