堕ちる天使×美しき悪魔
しかし、この石があれば人間界にだって行くことが出来る。
俺はチェーンに通された守りの石を首に下げた。
そして、ずんずんと森の奥に進んだ。
「…ねぇリオールゥ…これ以上行くと、危ないよぉ?
人間界に行っちゃう」
「……」
「リオールッ!!」
俺はフィンの言葉を無視して進んだ。
止まるものか。
俺は人間界を目指しているのだから。
「リオール、やめて!
大天使様に怒られても知らないよ!?」
「構わない。嫌なら帰れ」
「嫌だよ!!僕が離れたらリオールに何があるかわかんない!!」
フィンは涙目になって、俺の首に絡み付いてきた。
可愛い奴だな。
暫く歩き進めると、急に身体が軽くなってきた。
「人間界の入口だ」
フィンは小さく呟いた。
それを聞いた俺は翼を広げ
軽く地面を蹴った。
.