文学乙女
店員がいなくなると、再び緊張感が走る。





「−あのぉ……」





緊張感を打ち消すように、あたしはおずおずと三枝さんに声をかける。





「はい?」





「どうして…あたしをこんな所に連れてきたんですか?」





三枝さんは目をぱちくりして、あたしを見る。





「あの…あたし正直びっくりしてますし、男の人に話しかけられること…滅多にないから……」






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