文学乙女
コーヒーカップをソーサーに置き、いろいろ考え込んでいる時だった。





「初めて顔を合わせた上に、いきなりお茶に誘われてびっくりしたでしょう」





ケーキフォークを置きながら、三枝さんが口を開いた。





「え、ええ…。まあ」





あたしはおずおずとうなずいた。





「無理ないか。越野さんさっきから緊張してるし」





「−まあ、若干」





三枝さんは穏やかに微笑んだ。






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