文学乙女
「恋わずらいですね」





三枝さんが単刀直入に言った。





あたしはハッとして、顔を上げる。





「−え?何がですか?」





「佐伯の話になってから、越野さんぼんやりしてますもん」





「もおっ!変なこと言わないで下さいよ」





あたしは首を横に振りながら言った。





「三枝さんこそ、付き合ってる彼女いるのに、他の人に声かけていいんですか?」





「彼女…?」





< 183 / 318 >

この作品をシェア

pagetop