文学乙女
あたしは涙を拭いて、手紙をカバンに押し込んだ。






泣いたってしょうがないよね……。






あたしはふっと笑い、黙って正面玄関へ向かった。






途中で立ち止まり、遠くから佐伯さんの姿を見る。





佐伯さんは彼女とすごくラブラブで、とても幸せそう。






あたしはその光景を見るだけで精いっぱいだった。






二人のラブラブと逆に、あたしは佐伯さんに気持ちを伝えられないまま、終わってしまった……。






「……さよなら」






あたしは背を向けて図書館を出た。








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