文学乙女
「遅くなりました。帰り際に道が混雑してたもんで」




三枝さんは苦笑しながらレジ袋を流し台に置いた。





「すみません…。気を使わせてしまって」





「いえ、冷蔵庫の中空っぽだったし、ちょうど買い出しに行きたかったから」





「そうですか…」





「今、お茶出しますから」





「ああ、お構いなく」





コップを用意する三枝さんの姿に、どういうわけか気持ちがほっとする。






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