文学乙女
「今日は違う服装なんですね」





食後のみかんゼリーを食べてる最中、三枝さんが口を開いた。





「−え?」





「前に会った時と違って、雰囲気がちょっと大人っぽかったから」





「そうですか?」





「この前、チェックの短いワンピースみたいのと重ね着してましたよね?」





三枝さんは干してあるあたしの服を見る。





「チュニックだっけ?…ワンピースに似た服」





「ええ……」





前に着ていた服覚えていたんだ。





「今日はちょっと用事があったもんで…」





あたしは苦笑する。





片想いが終わってしまったことは、正直打ち明けたくなかった。





打ち明ける気は、毛頭無いけど。





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