文学乙女
三枝さんは、照れくさそうに頬をポリポリ掻く。





「あのクッキー正直美味しかったし、今度会ったら、また作ってもらおうと思って」





あの時ラブレターと一緒に渡すつもりだった、あのクッキーか…。





「ごめんなさい…。あの時余り物渡したような感じで」





「なんもですよ。久しぶりに手作りのお菓子食べたら、また食べたくなったから」





三枝さんのストレートな一言にグッと来たせいか、あたしは照れくさそうにうなずく。





「特に、あのチョコチップ入ったクッキー、すごく美味しかったですよ」





そんなに美味しかったのかな……?





三枝さんの嬉しそうな顔に、あたしは照れ笑いをする。





「あんまり、いい出来栄えじゃないけど…そこまで言うなら……」





「いいんですか?」





「はい」





あたしはうなずく。





「ありがとうございます」





三枝さんは、嬉しそうにはにかんだ。





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