文学乙女
お祭り会場は、文字通り熱気に包まれていた。





近くで見ると、熱気と威勢ある雰囲気に圧倒される。




中には、ちっちゃな子供や女の人も混じって、太鼓を叩いていた。





同時に、人混みもますます増えてきた。





あたしは宣ちゃんとはぐれないよう、足早で後をついていく。





下駄を履いているせいで、思うように歩けないのがナンセンスだ。





「足、大丈夫?」





宣ちゃんが心配そうに聞いてくる。





「うん、平気」





「歩くの速かったかな?」





「ううん、全然」





平然としつつ、本当は足指の間が痛くてたまらなかった。





走ると、鼻緒に当たるからである。






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