文学乙女
山車の行列が終わり、しばらくすると、メインステージでYOSAKOIソーランナイトが開催された。





きらびやかな衣裳を纏ったよさこいチームが、鳴子や扇子を両手に華麗な舞を舞っている。





チームそれぞれの踊りを近くで見ると、迫力がある。




その演舞を観るために、周りは人でいっぱいだった。




歩く度に、否応なく人混みに押し寄せられる。





時々、誰かに足のつま先を踏まれる。超痛い!





あたしは必死で宣ちゃんの後をついていく。





その矢先、人にぶつかりそうになって、あたしはその場で立ち止まった。





人混みが一瞬落ち着いた時、周りを見渡す。





………あれ?





宣ちゃんの姿がない!





さっきの人混みで、はぐれちゃったんだ。





あたしは慌ててケータイを取り出して、宣ちゃんに電話をかけようとする。





左側から、やたら体格のいい男の人にぶつかって、手に持ってるケータイを落とした。





あたしは屈みこんで、ケータイを拾う。





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