文学乙女
さっきのバカみたいな慌ただしさに、あたしはどっと疲れを感じた。





バーコードのスキャンが終わると、例の文学青年は本の束をまた丁寧に揃える。




返却日がスタンプされたしおりを一枚取って、本に挟んだ。






「6月1日までとなっております」






文学青年は本の束を差し出した。






「ありがとうございま〜す」





あたしは投げやりな口調でお礼を言う。






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