文学乙女
「いえいえ」






文学青年は快い笑みを浮かべた。





文学青年に会釈すると、あたしはさっさとカウンターから離れた。





あの文学青年もあたしを見て、心の中で「変な奴(--;)」って、思ってるだろうな……。





絶対そうだよ。





図書館を出る途中、不意に玄関前で立ち止まり、館内を見渡す。





あの人、やっぱりいないよね……。





あたしは小さく息を洩らしながら、とぼとぼと図書館を出た。






< 45 / 318 >

この作品をシェア

pagetop