文学乙女
ぶすっとしている時、遠くから児童書コーナーで見覚えのある若い男の司書がいた。





あれ?−あの人…。





あたしは頬杖する手を離して、相手の姿を見る。





「あっ…」





あたしは思わず声を洩らした。





会えないはずだった想い人が、近くて遠い距離にいたからである。





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