ランチな二人
『潤いルージュであなたの視線は釘付け…―――
これであなたは私のモノ』
―――――…え………
画面に映る、人気アイドル上之内エリカの挑戦的な目に、何故かわたしは動揺する。
「どうだった?これまで清純派アイドルとして売り出してた上之内エリカを、
小悪魔っぽく意識してつくってはみたんだけど」
「―――…あ…うん…」
荘司の方に顔を向けると、仕事モードに入った時のような真剣な眼差しでわたしを見ていた。
「…なんかインパクトあった。…彼女、こんな風にメイクするとすごく色っぽいんだね」
わたしがそう言うと、荘司は嬉しそうに笑顔を見せた。
「そう言ってもらえて嬉しいな。…上之内さん、すごく綺麗だったから、それがテレビを通しても伝わればいいなって思ってたんだ」
―――え―――