ランチな二人
振り返ると、白いスーツをビシッと着こなした森川さんの姿。


仕事帰りだというのに、髪型もメイクもバッチリキマッていて、頭が下がる。


「…嶋村さんを待っていらっしゃるの?」


「えぇ、まぁ…」


嘘ついてもしょうがないので、わたしは正直に答えた。


彼女の目が、すっと細くなる。


「深入りする前に、身を引いた方が懸命だと思いますよ?」






…一瞬、何を言われたのかわからなかった。
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