彼×彼女の恋事情
何か、はじめすごい怖がられてたみたいだけど今はそうでもないみたい。
……良かった。

その後、私とランジロー君が同い年だということしか分からなかった。

「そろそろ話はすんだかいにゃ?」

と、突然私の後ろから声がしたからだ。
ランジロー君が、あ…と呟く。私は驚いて振り向いた。

そこにはおじいさんが立っていた(まあ、おじいさんしか来るはずはないんだけど)。

っていうか、帰ってくるの早っ!!!!

「さあどうかね。お二人さん付き合ってみる気はあるでやんすか?」

おじいさんがにやりと笑う。欠けた歯がちらりと見える。

「私は……あります」

私ははっきりと言った。
ランジロー君のほうを見ると……顔を少し赤らめていた。

「僕も……あります」

彼も、小さい声だったけどはっきり言った。

「よぉし、交渉成立でやんすなぁ。まずは一ヶ月、うまくいったら無期限で。がんばっておくれやす」

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