氷の女王に愛の手を
なのにこの女はバクバクとタルト頬張っているではないか。
「これは没収。残りは試合が終わってからな」
ヒョイとケーキを取り上げて冷蔵庫に入れる。
ケーキケーキ喚いている背後霊がいるが、ここは心を鬼にしてケーキを封印。
まだブーブー言っているが、ここは宥めて部屋に戻した。
彼女も大切な試合が控えてるんだ。
しっかりと睡眠をとって最高のコンディションで迎えなければ。
「……最高のコンディションか」
鼓動が早まる。
すげー緊張してる。今まで感じたことのないほどの、緊張感。
夢にまで見た表彰台が、手に届く場所にあるんだ。
期待と興奮。目を閉じて明日のフリーを想像する。