氷の女王に愛の手を
真っ白な空間。真っ白な頭。
どうやら俺は白い空間にあるベッドの上で眠っていたらしい。
見知らぬ空間に戸惑うが、すかさず頭部に激痛が走る。
「痛……」
そっと手を這うと、布のような物が頭に巻かれていることが分かった。
これはもしかして包帯? そしてここは……病院?
アルコール独特の、病院の匂いが充満する部屋。
他のベッドは見当たらず、個室だということが分かる。
外は暗闇なのか、病室の窓にはカーテンがかけられていた。
そういえば俺は、リンクの上で滑っていたんじゃ……?
疑問は浮かぶと同時に病室の引き戸が開き、一人の人物が入って来た。
「目が覚めたか」