氷の女王に愛の手を
「そうだね~。タルト型とか必要最低限の物は持ってきてるから、材料を買おうか。そんでクレ坊かミューちゃんの家に直行して作ろうと思うんだけど、家にオーブンある~?」
なるほど、その背中に背負っているバカでかいリュックには、タルトグッズが入っていたわけね。
「小さいけどありますよ。美優家にもあったよな」
「最新式のウォーターオーブンがありますぜ」
「んじゃ決まりだね。では諸君、ミッション……」
「「スタート!」」
大声で右手を突き上げる二人から、俺は全速力で逃げ出した。
もうやだこの二人。