氷の女王に愛の手を

美優は目線を逸らさず真っ直ぐみつめながら、


「リッスンだよ」


全く想定外の人物の名を口にした。


「リッスン?」


リッスンって、俺が世界ジュニアに出場した時、優勝したアメリカの選手じゃないか。


そういえば、リッスンもNHK杯に出場していたようなそうでないような……。


「必死で勉強したんだろうね。片言だけど日本語で告白してくれたんだ」


美優も女の子だから、告白されて嬉しかったのだろう。


頬を緩ませてエヘヘと思いだし笑いをしている。


美優がどのような返事をしたか聞いてはいないが、この表情から全て読み取れた。


「んで、返事はなんて?」


美優の返事は―――
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