氷の女王に愛の手を

迷子とゲーム


ミューちゃんのうっかり事件から始まったジャスコの乱。


その混乱の最中、タクとミューちゃんから離れてしまった俺は、やぶ蚊から逃げるようにゲーム売り場へ身を寄せていた。


まさかあの一瞬で正体がバレるとは、ミューちゃんの知名度と人気がここまであるとは予想外だ。


ゲーム売り場には小学生ぐらいのちっさい子供しかおらず、大人の姿は見えない。


逃げ場としては正解だったな。とにかくタク達と連絡を取らないと。


とはいえケータイを忘れてしまったから、連絡の取りようがないのである。


今時公衆電話なんてあるわけないし、まさか迷子センターで呼び出すわけにもいかないし、どうしたものか。


思考を巡らすが名案が思い浮かばない。


そうだ、最近のちびっこはケータイの一つや二つ持っているはず。


こうなったらその辺にいるちびっこにケータイを借りてみようかと本気で考えていると、ある一人のちびっこに目が奪われた。


あれ? チビ助?

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