氷の女王に愛の手を
その際氷を削り取ってしまうから、素人でも着氷で氷が相当飛んでいたら回転不足だと分かる。
けれど羽生さんの3Aは、まったくといっていいほど氷がえぐれていない。
十分過ぎるほどの加点対象。完璧に回り切っている証。
ジャンプはノーミス。ここから先はスピンとステップで魅せる番。
まず最初のスピンはフライングキャメルスピン。
上半身を水平にして片足を後方に伸ばし、綺麗なT字になっている。
足が長い選手はキャメルが映えるが、羽生さんにはさらに女子顔負けの柔軟性がある。
上体を上に180度回転させて仰向けのポジション。
チェンジエッジをして、そこから態勢を戻してフリーレッグを掴み、ドーナツスピンに早変わり。
仰向けのポジションは一見地味だけど、バランスが崩れやすく実は難しい姿勢。
そんでもってドーナツスピンは、柔軟性を必要とするスピンの中でも上位に入る難易度。
女子のトップ選手でも、あのフライングスピンを回れる人は少ないんじゃないだろうか?