氷の女王に愛の手を

なんだか分からないけど、それに従って美優に寄ると、俺の両肩を掴んで体重をかける。


中腰の格好にさせられると、美優がニヤリと不気味な笑みを浮かべて……。


俺の頬に、キスを落とした。


「なっ……!?」


体中の血液が、急速に加速する。


たぶん、俺の顔は茹でダコの如く真っ赤になっているだろう。


「ななななな、なにしてんだよ!?」


「なにってキスじゃん。チューチュートレイン!」


「そうじゃなくて!」


こんなとこ誰かに見られたら、マスコミ沙汰になっちまうじゃないか!


幸い周りの人たちはこちらの状況に気づいていないが、後ろから笑い声が届いてくることから、佐藤先生には確実に見られた。


は、恥ずかしすぎる……。

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