氷の女王に愛の手を

「俺だって悪いと思ってるんだよ~? まさかあの程度で動揺するなんて思ってなかったしさ。もっとメンタル強化しないとね~」


「うっせぇ! 俺の邪魔ばっかしやがって、俺を落し入れるのが目的なんだろカマトトノッポ!」


「やだな~。俺がチビ助を落し入れるなんてことするわけないじゃ~ん。仮にそうだとしても、もっと効率よく且つ確実にチビ助を廃人にする方法なんて腐るほどあるんだよ~?」


「やっぱそうじゃねえか! 俺を落し入れたんだろ! そうなんだろ!」


「だから違うって~。今回は不可抗力。それに誰を落し入れて勝ち上がろうなんて、俺の美学に反するからね~」


羽生の説明に今一つ腑に落ちない大介。


もしも羽生に悪気がなかったとしても、不可抗力で世界選手権の切符を手放してしまったなど、大介にとったら悔しいったらありゃしない。


なんとしても羽生の企みを暴かなければ、腹の虫は収まらない。


「じゃあ本丸の計画はなんだよ。ミューさんが男とくっ付いてお前になんのメリットがあるってんだ」


「それはまだ秘密。計画はまだ第一段階を終えたあたりだからね」
< 230 / 231 >

この作品をシェア

pagetop