氷の女王に愛の手を

三回転ぐらいであれば、ジャンプ時の高さがなくても回転速度が速ければ跳ぶことができる。その逆もしかり。


しかし四回転はそうはいかない。


高さと回転速度。この二つが極端にある選手でなければ回り切ることはできないし、回り切ったとしてもクリーンに降りることができない。


四回転回ることができる選手は女子にもいるが、あくまで回るだけ。着氷できなければ跳べたことにはならない。


たかが一回転多いだけだと思うが、その一回転を多く跳ぶのが物凄く難しいことなのだ。


二回転半。ダブルアクセル(2A)を跳ぶことができず、フィギュアスケートをやめる子供たちがたくさんいる。


二回転は跳べるのに、二回転半が跳べない。


たった半回転多く跳ぶことさえ、ベルリンの壁ほどの難易度があるのだ。


言葉づかいは厳しいけど、やはり全米チャンピオンになりジュニアチャンピオンを育て上げたことはある。


練習メニューは考えつくされているし、技術面でのアドバイスも的確。


最近では転倒したりツーフットになったりとクリーンに着氷はできないが、肉眼では四回回り切る所まで持っていくことに成功している。
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