氷の女王に愛の手を
羽生さん。間違いなくシニアでも俺のライバルになる人。
それともう一人。
「そうそう、チビ助もシニアデビューするって。中坊なのに生意気だよね〜。あははっ」
「シニアに行かない方がオカシイですって。だって大介は―――」
世界ジュニアチャンピオンなんだから。
昨シーズン、ジュニアの主要国際大会であるジュニアGPシリーズと世界ジュニア選手権。
その全てで表彰台の頂点に登った日本人選手、それが大介だ。
14歳で四回転トゥループをマスター。
JGPシリーズでは、質の高いジャンプは凄まじいほどの加点をもらい、巧みなエッジワークでレベルが取りづらいステップでレベル4を獲得。
15歳で世界ジュニア選手権初出場初優勝。さらにジュニアの過去最高得点を更新した彼は、今もっとも注目されている若手選手だと言えるだろう。
世界ジュニア三位以内、またはJGPファイナル三位以内の選手には、シニアのGPシリーズで一大会の出場が約束される。