氷の女王に愛の手を
幸い俺と美優は正しいエッジで踏み切っていたからなんの支障もなかったが、大半の選手はそうではない。
現に羽生さんはフリップをややアウトサイドへ踏み切る癖があり、国際大会でも何度かe判定を受けた。
e判定は重度のwrong edgeにつけられるマークで、基礎点から-1~-2減点される。
wrong edgeを持つ選手はエッジの修正を余儀なくされたが、長年の癖を直すのは新しい技を覚えるよりも難しい。
実際、修正が未完成でジャンプで転倒する選手や、修正の影響で今まで跳べていたジャンプが跳べなくなった選手も多い。
さらに今シーズンからは、!判定も新たに加わった。
重度とはいえないが、正確なエッジで踏切が行われなかったジャンプにこのマークが付けられる。
e判定とは違い確実に減点されることはないが、少なくとも加点はもらえないし多少の減点はされてしまう。
これでは中途半端な修正で跳んでも加点がもらえない。
羽生さんはe判定を取られたり取られなかったりしたから敢えて修正に踏み切らなかったが、今回の改正で!判定を取られることは確実だろう。