氷の女王に愛の手を

背が。


大ちゃんは少し俯きまがら、大人しく私にナデナデされている。


て、あれ? 大ちゃんのほっぺ真赤なんですけど……?


「どうした大ちゃん? 熱も出したのかい?」


「ねね、熱なんてありませんから! それより練習!」


「おー! 練習開始じゃー!」


良かった。熱じゃないみたいだ。


最初は大ちゃんのジャンプを私が見ることになった。


身体が軽く脚力があるのか、高さも幅もある素晴らしいジャンプ。


着氷も、こうピタッてエッジが氷に吸いつくように降りてくるから、全くぶれることなくクリーンに決める。


ただフリップがな~。今期は修正しないまま行くのだろうか?


六種類の三回転を全てクリーンに決められるのにもったいない。
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