氷の女王に愛の手を
まあでも、大ちゃんはコンスタントに四回転を跳べるから、フリップが駄目でもなんとかなるだろう。
今から修正しても遅いし、そのせいでルッツに乱れが生じる危険性もある。
今の大ちゃんはシニアでも四回転をミスなく跳ぶことが今回の課題だろう。
「さっすが大ちゃん、惚れぼれするジャンプでしたぞ」
「俺なんて全然! ミューさんだって、トリプル六種完璧じゃないですか」
「そう? 大ちゃんに褒められるとなんか照れるな~」
練習は順調に進んでいく。
私は大ちゃんのスピンにちょっとばかりのアドバイスを。
大ちゃんは私にステップのアドバイスを。
てな感じで、お互いの弱点を指摘し合い、二日目の練習は終わりを告げた。
終始大ちゃんの様子がおかしかった気がしたけど、それは私の勘違いなのかな?
勘違いならいいのだけれど―――