氷の女王に愛の手を

意識をタクにシフトして耳を傾ける。


「なんか邪魔しちゃったみたいだし、すごい剣幕だったし」


正直怖かった。


なんて苦笑いを浮かべて言うタク。


怖かったって、年下チビに怯えてどうすんだよバカ。


なんだかな~。こいつと大介はおんなじ匂いがするよ。


「チビ助がミューちゃんとね~。どうりでクレ坊に突っかかるわけだ」


「突っかかる? それとこれとどう関係が?」


「恋する相手の幼馴染は、チビ助にとったらライバルみたいなもんなんじゃないの~?」


半分ほんとで半分嘘。


チビ助は大介をライバル視しているけど、なにもミューちゃんの幼馴染だから敵対しているわけじゃない。


「チビ助はクレ坊の憧れだからね」
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