氷の女王に愛の手を
ここまで来ると、呆れるを通り越して怒りが湧いてくるぜ。
仕方ない、ここはお兄さんが導いてあげるとするか。
「クレ坊はミューちゃんのことを大事に思ってるから、チビ助に渡したくないんだね~」
「そりゃあ、赤ちゃんの時から一緒に育った妹みたいなもんですけど」
「そうじゃなくて! タクもミューちゃんのことが好きなんだよ。女の子として」
最後の「女の子」を強調してトドメを刺す。
ここまでストレートど真ん中で来られたら、流石のタクも自覚するだろう。
自分はミューちゃんのことが好きだってこと。
タクを伺うと、ポテトに向かっていた手が止まっている。
なんともいえぬ表情でこちらを凝視している。
が、すぐにふにゃりと頬を緩ませて。
「羽生さんの冗談にはいつも驚かされますよ」