兄貴の想い
家に着き、泣き疲れた私はそのままソファーで眠ってしまった。
どのくらいたったのだろうか…
母が大きな声で話していることで目が覚めた。
案の定、私のケガのことでヒデが攻められていた。
ヒデは一生懸命状況を説明しているのだが、私の手に大げさに巻かれていた包帯に驚いていてまともに聞いていないようだった。
そして、母は慌てて父の会社に電話した。
ヒデは申し訳なさそうに小さくなって私の隣に座った。
私とヒデは、父に電話をしている母の背中を黙って見ていた。
きっとヒデも思っていただろう…
父にも叱られるのかなぁ…と。