兄貴の想い

私が3年生になったころだっただろう…


軽いイジメにあった。


どこからウワサが広まったのかはわからないが、父と兄が本当の家族ではないとクラスのみんながウワサした。


クラスの中で私の家族のような家庭はなかったので物珍しかったのだろう。一応、みんなは気を使いながらもいろいろ聞きたいような様子で近づいてくる。


『ねぇ、ミサちゃん…ミサちゃんのお父さんてホントのお父さんじゃないの?』


クラスの女の子に聞かれた。


気を使っているようではあったが、かなりストレートに聞かれた。


私は別に隠すつもりもなかったので簡単に返事した。


『うん。でも普通のお父さんだよ!』


普通のお父さんがいったいどんなものなのか知らなかったが、少し強がってみせた。
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