兄貴の想い
義務教育を辞められる訳もなかったが、ヒデの「辞めちゃいな!」と言った言葉に私は妙に焦って、少しずつヒデに話し始めた。
本当のお父さんじゃないと言われたこと…。
捨てられっ子だと言われたこと…。
お兄ちゃんと全然似ていないね!と言われたこと…。
結局、全部話してしまった。
そう…まんまとヒデの話術にハマってしまったのだ。
ヒデは悲しそうな顔で私の話をゆっくり聞いてくれた。
でも、私は最後にヒデに言った。
『明日はちゃんと学校行くから!もう、大丈夫だし!』
と笑ってみせた。
多分、ヒデはこの理由を母には話していないと思う。
ヒデはそういう人だから…。