兄貴の想い
それから、なぜか学校からの帰り道に、ばったりヒデと会うことが多くなった。
ヒデも学校帰りだったのだが、きっと私の帰る時間に合わせてわざとその道を通ってくれていたのだと思う。
私も一応いつも友達2〜3人で帰っていたのだが、ヒデは私を見つけると友達に優しく話しかけ、私を自転車の後ろに乗せて連れて帰ってくれていた。
そのことがウワサになり、今度は
「ミサちゃんのお兄ちゃん優しくてカッコイイね!」
と言ったウワサが広まった。
その辺りから偏見の目で見る子も居なくなった。
むしろ、ヒデのファンになる子が現れはじめ、マセていた女の子たちはヒデ目当てに家に遊びに来る子が増えた。
ヒデの作戦は大成功だった。
ヒデ…ありがとう。