Short Love Story
バレンタイン。

「急がなきゃっ」

今日はひさしぶりのデート。

彼好みのチョコレートと

欲しがってたプレゼントを抱えて、

彼が待つ場所へ急ぐ。

つきあってもう長いけど、

今日はいつもとは違う特別な日。



待ち合わせ場所には、もう彼がいた。

わたしは髪と服を整えてそっと近づく。

「遅いぞっ」

優しい笑顔の彼。

「…ごめんなさい。それからこれ」

わたしはすばやくプレゼントを手渡す。

「そっか、今日バレンタインだっけ。ありがとう」

さっきよりもっと笑顔の彼。

「お礼に今日はおごるよ。何がいい?」

「ん〜、パスタが食べたい」

「よしわかった。…じゃあ行こうか」

「…うん」

彼が差しのべてくれた手を握って、

イルミネーションが輝く街を

歩いていく。

こんなわたしだけど、これからもよろしくね。

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