空の青、夕焼けの赤
アオとアカは公園をはさんで
目の前の家に住んでいる。
彼らがどのくらい長い時間、
目の前の家で過ごしたかというと
生まれてすぐからだ。
もう、15年になる。
ふたりの家の真ん中に位置する
いつもの公園。
その公園が何とも偶然に
学区域というやつを分ける区切りだった。
そのため、小学校も中学校も
二人は別々の学校へ通った。
お互いに共通の友人はいない。
けれども、
お互い、お互いしかいなかったのだ。
アオにはアカしかいなかったし、
アカにはアオしかいなかった。
恋人でもなければ友人でもない。
けれども、お互いしかいないのだった。