空の青、夕焼けの赤

2人はお互いの学校生活を
お互いの話でしか知らなかった。
しかしそれ以上に興味もわかないので
特に困ったことはないのだけれど。

2人で会えば
今日はどうだったとか
今日は空がきれいとか
今日は満月だ、とか。
そういう他愛もない話をした。
よく笑って、よく喧嘩して、
またよく笑った。
毎日顔をあわせる日もあれば、
1週間も顔をあわせず、
不安になる日もあった。
けれどもなんとなく、なんとなく。
また会えるってわかっていたので何ともなかった。

そうやって15年間、
切れそうで切れない幼なじみの関係を
続けてきた。

春は目前に迫っていたのに。
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