君色 **空色**
1限目のテストは、意外に難しかった

一通り書き終わると、これ以上考えてもしょうがないので、私はさっさと荷物をまとめて席を立つ

こういう時、外に出やすい端っこは便利だ

誰かに立ってもらわないといけない、という事もないから

教室を出て、社学への道を1人ゆっくり歩いていると、私は後ろから呼び止められた


「陽菜ちゃん!!速い、やっと追いついた」


そう言うのはトモちゃんとチィちゃん、ユゥちゃんだ

皆、社会学部の友達で、お弁当を一緒に食べるメンバーだ


「あれ?皆途中退室?意外…」


そう言う私に、トモちゃんは「パイナップル難しすぎ!!あんなん粘っても分かるか!!」と言っている

私たちはキリ教の先生を、髪型からパイナップルと呼んでいる


まぁ、絶対に本人にばれたら怒られそうなのだけれど……


トモちゃんの言葉に対して、私は「それ同感」と答えると皆のハモッてしまった



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