君色 **空色**
今日最後の授業は『教育原論』のテストだ

もう、何だか今日はどうにでもなれと言った気分だ

テストの回答をもう、これでもかって言うくらい書きまくり、クルクルシャーペンをまわしながら誤字がないか見直ししていく

ふと、隣を降りていく岩崎くんたちに気がついて顔を上げる

彼らが出ていって数分後、私も片づけをして、教室を出た

辺りを一応見回してみるが、彼の姿はない

無意識のうちに彼の姿を探している自分に驚いてしまう


「もう、帰ろう……」


そう小さく呟くと、私は階段を降りていった

他の授業の終了時間と時間のずれた駅への道は、人が少なくて何となく怖い

ウォークマンの音量を少し上げながら、私は駅へと続く坂道を早足で降りていった

ホームにたどり着くと、ちょっとしてからすぐに電車が到着した

スッと乗り込むと、私は空いている席に腰を下ろす


明日から休みか……


そう思いながら、何となく電車の外の風景を眺めようと顔を上げると、隣の車両に目につく青が見えた気がした



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