君色 **空色**
「えーっと……それは深く突っ込まない方が良い話??」

「え?あ、違う違う」


私が気まずそうに彼を見上げると、彼は笑いながら事もなげに話を続けた


「実家の近くに高校なくてさ、叔母さんの家の近くの高校行ってたの。んで、大学もそこからの方が行きやすいから、あんまし親には会ってないの」

「そうなんだ……」


『色んな家があるんだぁ』と、当たり前な事を考えてしまったりする

ふと窓の外を見ると、見える風景はもうすぐ電車が駅に着く事を私に知らせた


明日から冬休み


少なくとも2週間ほどは、彼とはあえないんだなぁと考えている自分に驚きを感じてしまう

電車を降りて改札を抜けると、彼は今日も私を送るためにかエスカレーターの方に向かってくれる

何だか、その優しさが今は少し苦しいのはどうしてだろうか?


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