君色 **空色**
「きれ~い!!」


夜の観覧車に乗ったのなんて初めてだ

と言うより、観覧車自体何年振りだろうか……

建物の上にある観覧車なので、夜景は乗った瞬間から綺麗に見える

そんな観覧車の中で、私は彼の向かいに座っている

しばらく外を眺めていた私だけれど、耐えきれなくなって「で?」と彼にここに私を連れてきた理由を尋ねた


「あんな顔して、何か相談事?」

「わりぃ、俺どんな顔してた?」


そう逆に質問されて、私は少し考えてから「必死そう?または不安そうな感じ」と答えた

その私の答えを聞いて、彼は口元に手をあてて、目線を外に逸らした


『私、悪いこと言ったかな……』


そう思いながら彼を見つめていると、深呼吸をした後、彼は私の方を見つめ返した

その顔が真剣すぎて、何だかドキリとしてしまう


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