君色 **空色**
「時間は?」


大事な事を聞き忘れていた事を思い出し、私はそう彼に尋ねた

彼は、私をまっすぐ見つめたまま、何時でも待っていると答えた


バカだなぁ
風邪ひいちゃうよ


そう思いながら「そっか……」と私は呟いた

それきり気まずい沈黙が流れる

何を話したら良いのだろうかと思いながら、私はある疑問にたどり着いた


だいたい、彼は私のどこが好きなのだろうか?
こんな私の一体どこが!?


そう考えていると、彼が窓の外を見ながら「綺麗だな」と呟いた

その言葉に同意しながら、私は先ほどの疑問を投げかけてみる事にした


「ねぇ、2つほど聞いて良いかな?」


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