君色 **空色**
そう私が言葉を紡ぐと、彼はゆっくりと視線を窓から私に移した

その顔がいつもの半笑いなんかじゃなくて、真剣な顔だったので、何だか焦ってしまう

自分から尋ねておいたのだが、彼の返事を待っているのが怖くなって「どうして私なの?」と質問を開始する


「どうしてだろう………」


少し間をおいてから彼が出した答えは、あまりにも正直だった

その言葉に思わず吹き出してしまう


「そこは思いつかなくても褒めといてよ」


という言葉が出てきたのは、この状況にだいぶと余裕が出てきたからかもしれない


「それでは第2問です」


そう言って、私は一瞬言葉を続けるのをためらった


『あなたは私の傍からいなくならないって、約束してくれる?』


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