君色 **空色**
その文句の言葉を飲み込んで、言い訳にもならない言い訳を私は述べる


「ジェットコースターとかは大丈夫なんだよ?観覧車はなぜか無理なの!!なんか……倒れたらどうしようかと思って………」


そんな私の言い訳に、彼は吹き出した


ちょー失礼!!
ヒドすぎ!!!


そう思って「わ、笑うなぁ~」と一応反抗する

「ごめんごめん」と言いながらも、彼の顔はまだ歪んだまんまだ

その笑いもおさまってきた頃に、彼はニッと笑いながら「そっち、行く?」と尋ねた

最初は何を言っているのか分からなかったが、彼が私の横を指している事で、ようやく意味が分かり、私は慌てて首を横に振った


「揺れるくらいなら、このままを維持して!!」


切実にそう私が言うと、彼はまた外に視線を移した

そうして、少し口元が笑ったように見えると「大丈夫。もう、着くよ」と言ってこちらにあの笑顔で言った

その言葉に少し安心して、私は肩の力が少し抜けた


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