君色 **空色**
彼と別れてからの帰り道

いつものように地下鉄に乗り込んで、私は壁にもたれた

周りはいつものようにサラリーマンだらけだ

バックが邪魔にならないように、肩から下ろそうとして、私は重大な事に気がついた

自分の手を見て、手袋を返し忘れていた事を思い出す


『あちゃ~、忘れてた……』


ゆっくり手袋をはずしながら、どうしようかと考える


次、会った時に返そうか……


そう考えて、次っていつだろうと思う

24日に私が行かなくても、彼は今までのようにあの顔で挨拶してくれるだろうか?

そう考えると、私はどうするべきなのか余計に分からなくなっていった


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