君色 **空色**
大学を出て、駅までの長い道を歩きながら、私は疑問に思っていた事を一気に尋ねていった


「そう言えば、この前は何で突然の観覧車だったの?」

「あぁ、あれは慶太が言い出したってか、何てか……」


『慶太?』少し考えてから、いつも一緒にいる山下さんだと思いだし納得する

彼なら、きっとそんな事を言い出してもおかしくない気がする


「岩崎くん、それ言われたとおりにしたって言ってみ?めっちゃ驚くと思うで、彼」


そんな事を言われて、まさか本気でやる人がいるなんて、彼は思ってもいなかっただろうに

そう考えてから、私は彼の方を見て「つまりいじられてたのだと思われます!」と苦笑した


『というか、それでOKする方もする方か』


そう思って、自身に苦笑いする


「あとは…、どうして返事する日が今日、大学のクリスマスツリーの前だったの?」

「え……。何となく、イブとツリーの雰囲気にながされてくれるかなっと思って」


< 143 / 292 >

この作品をシェア

pagetop