君色 **空色**
琴葉に言われて、慌てて電話に出るとそこから聞こえてくるのは彼の声


『わりぃ!!さっきのメール俺のダチが勝手に送ったんだ!!』


開口一番に彼は私にそう謝った

これで謎が解けた

岩崎くんでないから、あんな注文のメールがきたのだ

つまり彼も私と同じように、ケータイを奪われてた言う訳で……

ほんと、似たり寄ったりだ

『ほんと、わりぃな……』と謝る彼に「うんん、大丈夫だよ」と言っていると、受話器の向こうが何やら騒がしくなる


『おまっ!!――――あ、もしもし?俺がそのダチの鈴木秀哉でーす。ごめんね~、突然』


彼の焦った声が聞こえたかと思うと、次の瞬間見知らぬ男性の声が聞こえてきた

驚いて言葉を失っている私に、電話の向こうの男性は話を続けていく


『楠木さん……だったよね?今から初詣行こうと思うんだけど、一緒に来ない?』

「へ!?」


その鈴木秀哉と言う男性の、突然の発言に、私は思わず間抜けな声を出してしまう


< 153 / 292 >

この作品をシェア

pagetop