君色 **空色**
出口に向かおうとする私に、琴葉が突然私にそんな事を言いだした


「ん?2時間かけて大学行ってる私が、たかが40分ほどの遠出で貧血なんて起こさないって!」

「いや、意味が違うんだけどなぁ~」


私の言葉に頭を抱える琴葉


『意味??』


うーん、と考えながら私は首をかしげていると、琴葉が「まぁ、心配しすぎか」と呟いている


「とりあえず無理しない事!」

「はぁーい」


お母さんみたいな事を言う琴葉に返事をして、私は店を後にした


「ま、まだ昼だし、お酒飲む事はないか……」


陽菜が出ていったファミレスで琴葉がそう呟くのを聞いて、成美は首をかしげた


「お酒飲んじゃダメなわけ?そりゃ、法律上は私らまだダメだけど」


ペロッと舌を出しながら「普通に飲んでるけどね~」と言う成美に、琴葉は「まー普通の人は大丈夫だけどね」と答える


「陽菜は貧血持ちだし。お酒飲んだことないから、きっとすぐにダウンするから……。あとはあの子、恋愛偏差値低すぎるからね~そっち方面も無理するとね~」


そう言って、琴葉はフーっと息をついた


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